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2021年5月10日(月)
花森 崇行 会員

 

 

〜小鹿田焼(おんたやき)〜


花森 崇行 会員
 1月に入会させていただきました。前年まで父が在籍させていただきまして、皆様には大変お世話になったかと思います。
 仕事は家具の小売をしております。家具の中でも特徴的で、長野県松本市で作られております「松本民芸家具」を主に販売しております。父が在籍中にこの話はしたかと思いますので、話がかぶらないようにしたいと考えております。
 民芸の中でも非常に有名な大分県にある窯元「小鹿田焼(おんたやき)」の話をさせていただきたいと思います。お皿、カップ、花瓶、小鉢、小壺などがあり、今どきの主流で作られておりますが、本来はもう少し違う形のものを作っていた時期がありました。今はこの様な暮らしの中で使われる食器などが作られています。料理が映える器で、私達は「渋いな」と感じますが、若い方々には「かわいい!」と言っていただけています。「飛び鉋」(とびかんな)という技法での模様が一番有名です。作られている場所は、大分県日田市でほぼ九州北部のど真ん中で主要都市の分岐点に位置しており、江戸時代には幕府の直轄地として非常に栄えたと言われております。「水郷ひた」と言われ、様々な川がここに集結していて、「水の都」の様な感じ、また屋形船に乗って鵜飼を見学などもできます。江戸時代の町並みも保存されており、こちらも見所になっています。
 九州の焼物の起源は「豊臣秀吉」に遡ります。秀吉が無くなる前に行った「朝鮮出兵」にて焼物職人を連れ帰り、九州に根付かせたと言われております。武将が彼ら陶工に各藩の焼物を作らせ「有田焼」「唐津焼」「薩摩焼」などに派生していきました。小鹿田焼のその流れになりますが、江戸時代の中頃(1700年頃)まで遡ります。秀吉の朝鮮出兵は最大の愚策だと言われることが多く、諸説ありますが、最近ではヨーロッパから中国「明」への侵攻を食い止めるために出兵したとも言われております。
 10軒ある窯元がだいたい同じ作陶風景になります。だいたい親子で2つの轆轤を使っていて、親から子への「一子相伝」の技術と言われております。一般的には弟子をとって、大量生産するのですが、ここでは弟子をとらず、機会を入れず、親子での製作になるので、「無理をしない」という作り方を貫いています。女の子しか生まれなかった場合、お婿さんをとったり、養子で繋いでおりますが、残念ながら1年前に10軒のうちの1軒が泣く泣く窯を閉じることとなりました。
 新しいことには中々挑戦しない窯ですが、既存のアイデアの組み合わせで、うまく仕事をいます。
 松本民芸家具もそうですが、何とかこういう仕事が続いていけるように、また私達も消費者様にお届けできるように頑張っていきたいと思います。

 

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