会長さんのお話の中に、津波のお話がありましたが、やはり大切なのは人の命を守るということだと思います。その為にどうすればいいのかと知恵を絞りました。カプセルを作って、その中で人を救えないだろうかというコンセプトで考えました。
東北大震災での被害は、95%以上が水で亡くなり、55%以上が60歳以上という数字が出ています。キーワードは「溺死・高齢者」であります。
考えなくてはならないのが、高齢者(弱者)の命を守れるシステムとなります。
それは、安く、時間的にも早く出来るようなシステムでなければなりません。
大津波と闘うという方法がありますが、コスト的にも大変難しいと思います。より強固な防波堤を作るという考えなどです。長期の建設期間も必要となります。高いところに登る事は効果的ですが、時間がかかってしまいます。
地下に潜るという考え方が出ましたが、空気の供給の問題、コストの問題、上に土砂などが来た場合、どうやって逃げるか等の問題が考えられました。
浮いて助かると言う考え方の中で、船で逃げる事が考えられます。しかし、海上で起こる火災に耐えられるかという問題があります。また、大型船舶が流されますと、それ自身が建物などを破壊することになります。
浮力体を付け、浮いていれば助かるという発想がありますが、これは甘いのではないかと思います。水温が33℃〜35℃でも低体温症になってしまいます。気休め程度の浮力体を付けただけでは、多分生き延びられないと思います。
一番望みがあるのが、浮力体の中に入るというものだと思います。しかし、今作られているものは、ほとんどFRP製で耐久性、メンテナンス、コスト的な事に問題があります。今考えたいのが、100年間メンテナンスフリーでもつものが出来ないかということです。そこで、コンクリートでカプセル構造を作ってやろうと考えました。今年中に実験をやり終えたいと思います。
被災地の一日も早い復興と再生を願っております。