私の専門は、心臓の循環器科で、心臓の狭心症や心筋梗塞の内科的治療を担当しておりましたが、現在はその前段階での「生活習慣病」を予防するという仕事をしております。
本日は、動脈硬化とはなんだろう、生活習慣病との関連、動脈硬化は関係する病気、それらの早期発見についてお話をいたします。
我々の体の中には、酸素を運ぶ血管があり、大きく分けて、動脈・静脈・毛細血管の3つがあります。
まず動脈についてお話します。動脈の構造は、非常に強い圧がかかっております。(血圧で言うと130)
心臓から押し出された血液は、動脈を通って全身に運ばれます。全身のあらゆる場所に動脈がありますので、動脈硬化と言えば「全身病」と認識されていいかと思います。
一方静脈は、皆様が血液検査で肘からとられる場所です。動脈と違って強い圧がかかりませんので、皮膚の壁は薄い構造になっています。
動脈硬化というのは、皆様の体の中ですでに起こっている現象です。アテローム性動脈硬化について、粥状の血管内の変化が起きています。コレストロールが高いと、血管の壁にコレストロールがくっつくと聞いたことがあると思いますが、実際には、血管の中にコレストロールが入り込み、徐々に血管を細くするという反応がおきてきます。そしてある日突然、血管を詰めてしまい、脳梗塞や、心筋梗塞の原因となります。生まれてから二十歳くらいまでは、血管内はつるつるですが、それ以降は動脈の内膜に傷がついてきます。昔の日本は和食でした。ファーストフードが日本に上陸した70年代から、30年間で肥満は約2倍にし、高脂血症は約8倍に増加しています。
高血圧の患者数は現在4,000万人いると言われています。病院で血圧を測ると、少し緊張するので、5高くなると言われています。家庭血圧で65歳未満で「125-80未満」高齢者で「135-85以下」にしておけば、脳卒中の発症率は低くなります。